アルプ搬入 2週間前

毎度のことですが、個展に作品搬入前の今が一番、荷物がごった返している時期です。(写真はその一部)

 

昔描いていた油絵に比べれば、水彩画は格段に場所を取らずに助かりますが、それでもコツコツと描いているといつのまにやら「紙の山」となります。描くのは夢中になっているのでいいのですが、さて溜まった作品の整理整頓となると先送りで、やらねば…やらねば…と思いながら、やっとある日に重い腰を上げ取り掛かる、の繰り返しです。

 

そして個展準備が始まるとそれら作品の取捨選択がまず悩みのタネです。場所、季節、前回との兼ね合い、作品の大きさ、数量、個展そのものの構成などなどを考えはするのですが、実際はどれを額装していくか、毎回悩みに悩みます。

描くときは、何も考えていません。横に広がる構図の山が相手なので、無意識にスケッチブックをどんどん横に継ぎ足して、どこまでも長い絵を描いてしまうこともしばしば。また、どうしても持参の画帖のなかでも大き目のものに好んで描いてしまうのも、対象が巨大なせいで後先考えず・・・。するといざ額装の段階で大変困ることになるのです。

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飯豊連峰を訪ねる3

大日岳を御西小屋からピストンした三日目の朝、その日は辿った道を折り返しで歩く復路日程です。大日岳の山頂ではちょうどガスに包まれ真っ白でしたが、登り下りの道中では立派な山容の大日岳を十二分に楽しみながら、また豊富な高山植物を愛でながらのハイライトでした。

 

さて、復路。本来の宿泊は本山小屋を通り過ぎガレ場の急坂を下り御秘所(おひしょ)の岩場や草履塚のピークも越えて辿り着く切合(きりあわせ)小屋の予定でした。ところが、梅雨明けして好天がしばらく続く天気予報のせいで一斉に登山者が山に繰り出したのが、この日だったのです。スケッチなどで時間を食った分、到着した午後の切合小屋はア然とするほどの混雑ぶりでした。

小屋の真ん前に水場のあるこの小屋に泊まれると楽ですし一旦は宿泊手続きをしたものの、同じ混み合うのなら初日にお世話になった三国小屋の方がいいのでは…と判断し、普通なら小屋にザックを下ろし寛ぐべき時間帯でしたが意を決して再び荷物を背負い上げ、二時間弱先にある三国小屋を目指し歩き始めました。しかし、その1時間半の厳しかったこと! そして、着いた三国小屋では・・・。(写真は夕刻辿り着いた三国小屋前、小屋内では炊事ができず外で夕食の準備を始めるところ)

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飯豊連峰を訪ねる2

入山二日目、いよいよ本格的な縦走に入ります。天気は申し分なく、一気に夏山気分です。

しかし初っ端から急坂を下ったかと思えば梯子と鎖で岩場を急登、続いていはザレ場のトラバースあり雪渓ありと変化に富んだ登山道です。

また今回の山行では縦走中、ほぼ途切れることなく高山植物が咲き乱れ、苦しい登りも随分と励まされました。雪が多かったとのことで、たっぷりの雪渓や雪田が残り、溶け始めたばかりの箇所には早春の花や湿原の花も、雪解けが早かった場所では夏の花と一緒にすでに初秋の花も咲いていて、幅広い季節の花々を楽しめたのは幸運でした。いろいろな山を登ってきましたが、こんなに花に溢れた山行はもしかして初めてだったような気がします。

二日目は御西小屋までの予定ですが、途中で菊判和紙を拡げての制作や花のスケッチもあったりで到着は16時を回ったいい時刻。三国小屋から来たと言ったら、小屋の管理人さんから「えー!どこをどうやって歩いて来たのよぉ」と呆れ返られました。歩きの遅さに加え停滞時間の長さもあり、多めに見ていた行程がちょうどでした。

 

*上の写真はこれから向かう飯豊本山の方です。正式な山頂はもう一つ向こう側に隠れていますが、見えるあの急登がこの日、一番のこらえどころでした。花などは下記に写真でご紹介していきます。

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念願の飯豊連峰を訪ねる1

福島と山形県境の飯豊(いいで)連峰はそれこそ大昔からの憧れで、一度は訪ねたいと願っていました。この夏、その夢が叶いました。どこから登っても急登に次ぐ急登。北側の石転び沢の雪渓から登る技量と体力は自分にはないと分かっていましたので福島側の川入集落からの大ピストン縦走を計画しました。それも普通の日程より一日分多めの設定です。

 

天気が良ければ巨大な山容を稜線からほしいままに描けるかもしれない…。そんな期待を抱き、自分のザックには絵の道具を主に、そして共同装備を担当してくれる山友の同行で東北に向かいました。が、東北地方の梅雨明けはまだだったようで、川入集落での前泊では明け方から雨が降り出していました。(写真は三国小屋からの大日岳、夕陽のシルエット Aさん撮影)

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雨でしたが・・・

ヒオウギ花見会初日、バザー当日はあいにくの雨でした。小雨でしたが、やみかけると又降り出すという、霧のなかの雨模様だったのです。

バザーが開催できなかったのは残念でしたが、それでも小雨の中をかなり大勢の方々がお越しくださいました。

 

会場ではヌバタマをあしらった京都の和菓子とお抹茶のおもてなし、またテントのなかでの絵葉書や本、手作りグッズの販売など、それなりに過ごして頂けるよう、会員の人たちも臨機応変に対応。雨除けタープも張って、その下ではゆっくりとミニ宴会をして楽しんでくださる家族連れの方もいらしたり、満開のヒオウギと共に賑わいのある会場となっていました。

 

とは言え、ちょうど昼頃からしとしと雨も上がり、明日から一週間の「ヒオウギ花見会」は、今日以上に元気よく花たちに迎えてもらえるのではないでしょうか。どうぞ皆さん、8月6日(日)まで午前9時から午後1時まで開場しています。お弁当を持って緑陰にてランチタイムも楽しいでしょう。どうぞお越しくださいませ。(会場などの情報は下記二つ前の「つれづれ」に詳細が載っています。)

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つかの間の避暑

山好きな方が見ればすぐに「あー、あそこね…」とお分かりでしょう。先日、あまりの暑さから山仲間と一時の“脱出”。歩き始めの位置がすでに2000mを越える麦草峠に向かいました。平日とは言え、皆さん考えることは同じ。到着時の駐車場はすでにほぼ満車でした。運良く停められて、さあどこに向かおうか・・・。「のんびりしに来た」ということでのんびりと高見石に向かって登り出しました。安直な選択ですが、思えば高見石に行くのはかなり久しぶりです。そして気づいたのですが、雪の時期ばかりで夏道はあまり記憶になかったのです。久しぶりだと初めてのように感じるので、忘れっぽいのもいいものです。(写真は高見石の上から見下ろした白駒池です)

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7月30日 ヒオウギお花見会&バザー

いつも登っている西山をバックに満開のヒオウギ、数年前に撮影したものです。

「ヒオウギアヤメ」と勘違いされる方も多いのですが、実はアヤメとはまったく姿も色も異なるこの花が「緋扇・ひおうぎ」、「西山を守る会」のシンボルの花です。ちょうど今頃、夏の暑い時期、午前中に花開きその日のうちにはしぼんでしまう“一日花”です。

この花を「西山を守る会」の“基地”=沓掛館山に会員が丹精してたくさん咲かせ、お披露目するのが「ヒオウギお花見会&バザー」です。バザーは30日のみですが、ヒオウギのお花見会は7月30日から8月6日(日)の一週間開催しています。どうぞ今の時期にしか見ることのできない、美しいそして珍しいヒオウギの花を見にいらしてください! 会場は緑風で、都会の暑さに比べ格段に涼しいですよ。※ご来場の方にには冷たいお抹茶と京都・亀谷良吉のヒオウギの実=ヌバタマを模した和菓子「烏羽玉」をおもてなし致します。(数に限りがあります)

ご案内は下記に記載しています。

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A.サトウと武田久吉展

 日光中禅寺湖畔、観光地で有名な華厳の滝に隣接する「栃木県日光自然博物館」を訪ねました。今回はここで企画展「武田久吉(ひさよし)展」が開催されていて、しかも9日が最終日、どうにか間に合いました。

 

この日も関東地方は好天、猛暑でしたが、いろは坂を昇り中禅寺湖畔まで来るとさすがに涼しい風が吹き抜けます。まずは湖の南に控える半月山まで上部の駐車場から散策し、それから昨年新築整備されたばかりの「英国大使館別荘公園」を訪ねました。

 

ここは1800年半ば以降駐日公使として日本に滞在したイギリスの外交官、アーネスト・サトウの個人別荘があったところで、その後も英国大使館別荘として長年使用されていたものを復元したものだそうです。

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目的の高標山・たかっぴょうやま

志賀高原に泊まりで出かけたのは「山仲間・ご執心の山」があったからでした。

それが高標山・1747m。カヤの平高原に位置する山で知る人ぞ知る、渋い山です。急登など全くない分、300mほどの標高差をどこまでもゆるゆると登っていきます。その登山道の雰囲気はこの写真、見晴らしはなく樹林帯の中を行きます。

 

特別の思い入れもなく同行したのですが、一言で言えば「歩いているだけで気分がいい山」でした。梅雨前で花も端境期かと思っていましたが、どっこい、たくさんの花々が咲き“サンカヨウの道”とか“ユキザサの道”とか“エンレイソウの道”などと名付けながら行くほどでした。

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梅雨入り直前の山

地域によっては集中豪雨的な降り方のようで災害が心配ですが、関東以北では梅雨らしいうっとうしい毎日となっています。その梅雨直前、最後の晴れ間を狙って、ここ数年何度か訪ねている志賀高原に向かいました。梅雨前線を避けて北西に向かう作戦でしたが、見事的中。新潟寄りの北信は青空がひろがり、ウネウネと標高を上げる292号線からはその内残雪の北アルプスから後立山の峰々がきれいに望まれました。双眼鏡で剣岳や立山も確認できました。

 

目的の山を特に決めずに出発したのですが、同行の山仲間と「さて、どうする?」と思う間もなく、ふと車を停めた所で偶然目に入ったのが「前山リフト」。なんだろう? リフト? 動いているのか、はてさて・・・、取り敢えず偵察。すると暇そうに殆ど空の椅子がグルグル回っているではありませんか! 今すぐ登れば、笠ヶ岳を前景に北アルプスの眺めがほしいまま!とさっそく片道チケットを求め前山展望台(1796m)まで一気に上がりました。…なんといい加減なこと…。

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『山の本』100号祝賀会

昨日は白山書房季刊誌『山の本』の100号記念の祝賀会がありました。一年に4回の刊行なので四半世紀続いた山の読み物の雑誌としては今の時代、それだけでも功績と言えそうです。私は2008年より熊谷 榧さんの後任として本文の挿絵を担当、その後2011年よりカラー画と文の連載「心に映る山」の担当をしています。

 

100名近い参加者で、名前だけは知っていてもお会いしたことのない方、普段滅多にお目にかかれない方々などとの歓談も持て、祝賀会自体も大いに盛り上がりあっという間の二時間でした。

 

時間内では喋るのに忙しかったためか、終盤になってもお料理が結構残っていたのですが、さすが山屋。お開きです、と解散になった瞬間より猛然と殆どの人が残りを食べ始め、式場係りの方が片付け始めている脇で争うように次々と皿を空にしていく様は圧巻でした。

 

最後の締めも普通なら一本締めとか三本締めなのでしょうが、さすが山の本倶楽部代表のA氏、「フレー!フレー!」の掛け声による応援団式エールを白山書房に贈ったのでした。

秩父の山へ

下界が30℃を越えるという晴れの一日、山岳会の先輩方と例会山行に参加しました。行く先は山中に居るより移動時間の方が長い、ちょっと遠い秩父の山、破風山(はっぷさん)です。標高は626.5mあるのですが、何を勘違いしていたのか、標高も歩行時間も間違えて本来の半分以下と思って歩き始めていました。これが「失敗の元」? 秩父鉄道の皆野駅で落ち合い町中を登山口に向け出発する前に取り敢えずおにぎりを一個頬張りました。4時起きで軽くパンをかじっただけだったので、歩く前にすでにお腹が空いていたのです。

 

しかし今日のコースは一般的な北側からのコースではなく、バス利用なしの南側、大渕登山口からの前原尾根コースなのです。これがどれほど長く幾つものコブを乗り越えていくのか…把握していませんでした。最初のピークまではなかなか調子よくご機嫌でしたが……。

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絵描き二人で

先日の霧ヶ峰に行った翌日も、大変いい天気に恵まれました。スケッチをしながら帰ろうと思っていましたが、ご自分の山荘にお泊りだったSさんを行掛けに訪ねてみました。SさんもJR小海線沿線に足を伸ばしスケッチをすると仰っていたので、もうお出かけかと思っていましたが、まだご在宅。

ちょっとお茶をご馳走になりながら「どうします?」と二人で相談し、結局適当に車で走りながら一緒にあちこちでスケッチでもしましょう、ということになりました。

 

取り敢えず本来の目的であった小海線沿いに北上してみます。と、野辺山周辺まで来るとかっこよく八ヶ岳が見えています。まずはここで第一弾。夢中になって描いていましたが、そろそろ…というところで雲が下りてきて一段落。そしてそこは「ヤツレン(酪農のJA)」の駐車場兼店舗です。当然のようにおいしいソフトクリームも食べたのは言うまでもありません。

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霧ヶ峰の旧道

全国的に梅雨入りしたようですが、その前の晴れ間に霧ヶ峰を歩きました。甲斐大泉のペンション「ロッジ山旅」オーナーのガイドにて「森山の会」メンバーでの山歩きです。写真は強清水(こわしみず・一番霧ヶ峰で賑わう所)周辺から見た丸くてなだらかな車山と右手奥が蓼科山。上空の風で雲がいろいろな形に変化する下、強清水の駐車場からかつての登山道であろう旧道を辿って歩きました。

当日は歩きだしてすぐにグライダーが何機も飛び立つのを目にすることができました。前々からここがグライダーの適地とは知っていましたが、間近で離発着を見るのは初めてでした。霧ヶ峰はグライダー発祥の地でもあるそうです。

 

梅雨入り前、最高のお天気で霧ヶ峰も多くの観光客やドライブ、ライダーで賑わっていましたが、一歩草原の遊歩道に入ると一気に静かな世界になります。ほんの数十歩?でも、車で来ている観光客は滅多に歩かないものだとわかります。

下記に写真を添えて、当日の様子をご紹介します。

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銀山平の宿

いかにも“昭和!”と言った雰囲気の部屋です。庚申山登山に利用した「銀山平」の温泉宿「かめむら別館」の食事に使った広い日本間です。ここも客数が多いときには通常の客室として使うはずです。

 

今時すべて襖と障子、個室の鍵もなく、トイレも共同、でも宿泊の部屋はどれも二間続き。なんとものんびりしています。テレビはありますが自動販売機もなし、携帯の類いはdocomo以外は通じず。

 

しかしお肌すべすべ美人の湯の温泉で食事は山のものを主に山女や鹿肉、猪汁もありました。どれもおいしく、加えてご飯の旨いこと! 山に行って体重は確実に増えて帰ってきました。こういう‘施設・設備’はちょっと…どうも…という方にはお勧めできませんが、山屋的には何ともホッとする宿でした。贅沢なことは何もないけれど、静かな昔ながらの山旅をどこまでも味いながら寛げる宿だったのです。

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庚申山(こうしんやま)

群馬県桐生に向け北の栃木県足尾から谷間を流れるのが渡良瀬川です。かつて鉱山として「足尾千軒」と隆盛を極めた足尾ですが、鉱毒による水質・土壌汚染で人身被害・自然破壊を引き起こし負の歴史を刻みました。JR足尾線が「わたらせ渓谷鐵道」となって貨物廃止で足尾での製錬事業も事実上終止しました。今では地元住民の足と同時に風光明媚なわたらせ渓谷観光の目玉として地域活性に一役買っています。

 

足尾銅山最寄りの通洞駅より西の山間に入っていくと「銀山平」というところに行き着きます。ここが庚申山の登山口でもありますが、また足尾銅山の鉱山そのものであった備前楯山(びぜんたてやま)の登山口「舟石峠」にも通じています。備前楯山という名は、1600年始めに備前出身の百姓二人が鉱床を発見したことによると聞きました。当初の予定では銀山平に宿泊し、行き掛け駄賃の山としての備前楯山と足尾の観光を兼ねて「わたらせ渓谷鐵道」の「わっしー号」乗車、そして本命=念願の山=庚申山と計画したのですが・・・。

(写真は庚申山山頂先の展望地から、皇海山(すかいさん)の眺めです)

 

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高原山・たかはらやま

新緑が美しい季節。けれど、ちょっとした事がきっかけで左肩が痛み出してしまいました。でもなんとか軽いザックなら腕を通せそう…足は別に大丈夫…、軽いハイキングなら…、ということで塩原手前の高原山に出かけました。が、今回は軽めに剣ヶ峰までとし釈迦ヶ岳は割愛、大入道をまわって周回コースをのんびり歩きました。

 

期待したシロヤシオはまだまだ蕾も堅く、大間々駐車場一帯を埋め尽くすというレンゲツツジもまったく咲いていません。今年は随分とツツジの開花は遅いようです。

 

ツツジには早すぎても、逆にその頃にはもう終わっているオオカメノキの白い花が見頃で、まだ春の様相の山肌をバックに殊の外、その白さが美しく映えていました。

 

山は何時の時期に訪ねても、何かしらの贈り物をくれるところです。(写真は見晴台より高原山の主峰、釈迦ヶ岳など)

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