東北の山旅4終章・下山

静かな夜が明け、外に出てみると、ベンチにうっすら雪が積もっています。堅牢な木造の小さな小屋内は、氷点下にはなりませんでしたが、朝方冷え込んだわけです。

 

朝食をとっているうちに外が明るくなってきたので、私は小屋の位置からだと見える十二湖への稜線をスケッチ。

 

描き終えて山頂に行くと、雲が大きく動いては、朝の日差しが射したり隠れたり…、「天使の梯子」とも言われるチンダル現象も美しく、白神岳での最後のひとときを心ゆくまで貸切の山頂で過ごしました。

 

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東北 秋の山旅3 白神岳山頂

さて山頂を目指し、時間を遡るのではなく、先取りしていくように深まる秋の世界に入っていきます。

雲が垂れ下がるような天気でしたが、幸い雨粒が落ちてくることはなく、そこそこの展望もききました。冴え渡る紅葉、という具合には行きませんでしたが、落ち着いた色合いの「みちのくの山」を味わいました。

 

この写真は山頂付近から、白神山地本体!を眺めたものです。この大きなブナの森の塊が、つまり世界遺産とされたのですね。特徴的なピークがある山塊ではありませんが、見晴しのよい山頂ではどこまでも続く大きなブナの森を飽くことなく眺めていました。

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東北 秋の山旅2 十二湖〜白神岳へ

青森県の日本海側へ移動後、午後の時間を利用し「十二湖の森」へ行ってみました。想像していたより、観光地化された所でした。奥の駐車場に向かう道の途中からは、「日本キャニオン」と呼ばれている真っ白な不思議な岩が林立する山肌が垣間見え、ドキッとしました。

 

美しい自然と共に、どうして?と思わざるを得ないような不可思議な造形が至る所、自然には存在しています。その成り立ちの謎は、地球のダイナミックな歴史の中にあり、その結果の際どい均衡の上に、今の私たちが楽しんだり利用させてもらったりしているのを感じます。

 

自然を一方的に経済性から利用するばかりでは、この繊細で微妙な均衡も当然破壊されてしまいます。そしてその結果が、今の温暖化や或いは、このコロナ禍でもあるようです。

豊かなブナの森も、碧い池も、観光客を楽しませながら静かな様相をしていますが、目に見えないところで自然のバランスを精一杯がんばって保とうとしているのではないか…、そんなことも考えるのでした。

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東北 秋の山旅1・平泉〜小安峡温泉

台風が大きく南にそれた後も天候は定まりませんでした。が、予定していた東北に向かいました。

 

一路、東北道を北に、しかし明けた朝は雨。当初は栗駒山周辺に向かおうかと考えていましたが、平泉市内でガソリンを入れたときに、すぐそばに中尊寺があると気づき、急きょ世界遺産を巡る旅に切り替えました。

おそらく初めての訪問。修学旅行で来たことはあったか?それすら記憶が薄く、ちょうどいい機会となりました。

<写真は中尊寺内の峯薬師堂>

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東北の旅2 盛岡

 

今回、盛岡を訪ねたのは知人に会うためでした。たまたま東京・御茶ノ水の喫茶店「穂高」で私の「山の絵」に出会い、それがきっかけで知り合ったHさんです。

 

週末の休みを利用して、盛岡案内をお願いしたところ快く引き受けてくださいました。こうした再会で、今回の東北の旅は山やスケッチというより、人とのご縁を繋ぐものでした。とは言え、あちこちと岩手山がきれいに見えそうな場所を車で走り回って探してもらい、おかげさまで岩手山を含めて何枚かのスケッチもできました。

 

 

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東北の旅1 木工展を見る

恒例の「大人の休日パス」で今回は東北に出かけました。

ちょうど山形の東根市で、私の机や畳ベッドなどを制作してくれた木創家「N'Works」の芦野直之さんの「木の仕事展」があったので、まず山形新幹線で「さくらんぼ東根駅」に向かいました。

 

芦野さんとの出会いは以前の「つれづれ」にも記しましたが、東日本大震災後に横浜の百貨店で「東北支援フェア」が開催された時に、ちょうど机を目に留め注文したのが縁です。丁寧な職人気質の仕事、傷や節などのある本来商品化を避けるような木も大切に、むしろそうした傷をアクセントや味に変える工夫や技での手作り家具、また端材までも大事に使う仕事をモットーとしています。家を作る大工仕事から木匙の小物に至るまで大きな事から繊細なものまで扱える力量・仕事ぶりを、以来遠い横浜から見つめて来ました。

 

今回はそうした仕事の今の時点でのまとめを見ることが出来るいい機会でした。

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