本の山旅

「つれづれ」の12月5日にご紹介した大森久雄氏編のヤマケイ新書『山の名作読み歩き』。そこにあった鷹野照代の「風の道」が昨年末、山仲間での小さな飲み会で話題になりました。そこを訪ねてみよう…という話になり、春を待ってその仲間で「風の道」に出かけました。

私はたまたまその「風の道」の出典である『アルプ』184号「特集 風」(1973年6月)をその飲み会で手に入れたのでした。そして一昨年刊行された山口耀久(あきひさ)著『「アルプ」の時代』にもその「風の道」鷹野照代が取り上げられていました。思いは膨らんで行きました。


当日は甲斐大泉「ロッジ山旅」の長沢洋さんのガイドで大森久雄氏も同行され、かつては村人達が使っていたであろう山道を辿りました。が、鷹野照代が歩いた頃以上に荒廃しているのは当然で、おぼつかない所もあったりでようやくその峠に着きました。今にも泣き出しそうだった空で、弁当を広げる余裕もなく再び登った道を下りましたが、帰路には大森さんが調べておいてくださった鷹野照代の菩提寺も参ることができました。照代夫妻が眠るところからは、その「風の道」の峠が美しく見通せるのでした。想っていた以上の照代の思いの深さに触れたような気がしました。

美しい春の西山

2月23日の「丹沢の秘境!?」でもご紹介した丹沢前衛、厚木の荻野地区にある西山、貴重な好天の一日に歩いてきました。

今年は例年とちょっと様子が違い、天候が暑かったり冷えたりの為か、標高が高くない西山ではヤマザクラと一緒に新緑が楽しめました。ヤマザクラも満開のものや見頃のもの、花吹雪の木、雄しべや芽吹きの葉を紅色にしているもの、さまざまでした。ソメイヨシノのようにどれもが一斉に咲いて散るわけではない山の桜、そしてクヌギなどの白く光る芽吹きやヤシャブシの眩しいような緑、柔らかなシデ類の新芽・・・自然の多様な美しさが宝石のように輝いている春のひとときでした。

 

先に「丹沢の秘境」とご紹介したのは実はこういうことで、今の丹沢の中でこのように自然林に包まれている山自体が希少となっていて、低山ながら豊な樹相を示しています。このような林の中にはトリも多くやってくるし、終日様々なトリ達の鳴き声が響いていました。

しかしこの西山は南方面から写真のように採石によって山がドンドンと崩されています。

西山稜線には厚木市道があったにも拘らず「人が歩かないから」という裁判の判決理由により市道が強制的に付け替えられ、採石業者に山が受け渡されてしまったのでした。

私たちが都会で便利な暮らしをしていくにはこうした採石の恩恵に預かっている事も承知していますが、その姑息なやり方はいずこも同じで、やるせないものがあります。

西山は毎月「西山を守る会」の人たちが歩き山を整備しています。「人が歩かない」わけでは決してありません。そして昭文社の地図(2014年版〜)にも破線ながらコースが掲載されています。今も昔も好事家向きの山として愛されていますが、もっと多くの人に歩いてもらいこの魅力を感じて頂きたいです。

 

★来るGWの初日、会では恒例の「相州アルプス」縦走を開催します。

観光地として人気の宮ヶ瀬ダムサイトから一気に稜線に登りつめ、上記の写真にある採石場際の「発句石(ほっくいし)」まで丸一日をかけてゆっくり縦走します。新緑溢れる丹沢の‘秘境’をご一緒に歩きませんか?

♦お問合せ:西山を守る会事務局 ☎0462-41-8990

会のHPは下記の通りです。「活動・お知らせ」のバナーに詳細があります。

http://nishiyamawomamorukai.web.fc2.com

 

【相州アルプス縦走】

  • 4月26日(日) 雨天の場合は29日(水)
  • 「愛川大橋」8:00集合 (小田急線「本厚木駅」北口      半原行き7:20発に乗車、愛川大橋バス停下車)
  • 宮ヶ瀬湖ダムサイトから半原高取山に登り、荻野高取山まで縦走
  • 弁当・飲み物(特に充分に)・雨具など持参
  • 18:00頃「上荻野」バス停にて解散の予定


游印肆 玩古堂と工房草野

始めのタイトルの読みは「ゆういんし がんこどう」です。

玩古堂は3月13日のこの「つれづれ」に取り上げた画家・篆刻作家松本全廣さんのあとを継ぎ、今は妻の冬美さんが制作をしているお誂え印の‘商標’です。

 

毎年恒例の珈琲豆店「大和屋・高崎店での展示会に行って来ました。

「工房草野」は草野之夫・由美子夫妻が金銀の金工アクセサリーをつくっています。一つ一つ丁寧に創っている指輪やネックレス、ブレスレットなどは普段装身具に関心のない私のような者も惹かれる魅力ある作品です。また笛にもなる精巧で且つ可愛い動物のペンダントも人気で、アクセサリーでありながらいざというときには身を守るアイテムにもなります。

松本冬美さんは平面から立体まであらゆる作品を創りだす作家ですが、玩古堂として各種のオリジナルデザインのハンコ(陶判)や住所印を請けています。「山の絵」の落款を始め住所印など、私にとっては無くてはならない印です。

 

今回は会場の様子を写真にてご紹介します。

工房草野のアクセサリー、また玩古堂の印や住所印にご興味のある方はどうぞ「山の絵・お問合せ」にてご連絡ください。 

「二人展」最終日

二週間 長いと思っていた会期も本日、最終日です。

会期始めに咲き始めたコブシの白い花も散り、今では若々しい緑の若葉を風に揺らしています。また満開の桜も散っていき、大岡川の川面を薄淡く敷き詰めているでしょう。

今日は二十四節気の「清明」だそうですが、天気は生憎の雨空で寒の戻り、ちょっと冷えています。春の陽気の移ろいやすさを感じての二週間でしたが、元気に過ごせて感謝です。では、会場へ行って来ます!