コアジサイの山

梅雨前線を避けて新潟方面に車を走らせていたのですが、どうも寒気の影響で行く先の空模様が不安定の様子。と、関越道の赤城ICと昭和ICの中間、高速に近い位置に目立つ山=子持山(こもちやま)=がすっきりと見えていました。榛名山や赤城山は山頂付近を全体、雲に隠しているのに都合よくインター近くの山が晴れているとなれば、すぐに予定変更で赤城ICにて下車。

 子持山を特徴付けているのは、この屹立した岩峰「獅子岩」ですが、上の写真でも一番左に尖ったサイの鼻のように見えるのがそれです。

 登山口の沢沿いの道から暫く急登をこなすとこの獅子岩の基部に出ます。そこからは足元に注意しながら岩場を回りこみ、本体の岩そのものは備え付けられた鎖梯子や鎖頼りによじ登ること暫し、でポンッとグルリ360度の展望台、岩峰のテッペンに飛び出します。スリリングな味わいの中で速攻のスケッチを5分。

 この獅子岩を過ぎ、本来の山頂に向かえば、上部は岩と木の根が絡み合うような急登を手足を使いよじ登るようになります。大昔、火山から流れでた溶岩の上をなぞって登っているのが実感させられるような厳しさでしたが、しかしこの日何よりも一番心惹かれたのが、このコアジサイの花の美しさでした。急登が始まるとほとんど「コアジサイの道」あるいは「コアジサイの森」と言ってもいいほど、淡い紫や清純な白で涼しげに咲くこの小さな花に埋まっていました。これは頂上に着くまで続いていました。好きな山の花のなかでベストスリーに入るコアジサイ、丁度その花期に出会うことができ、その花に導かれるように登ったこの山のことは忘れることはできないでしょう。

燧ヶ岳・ひうちがたけ

                     広沢田代から見る燧ヶ岳
                     広沢田代から見る燧ヶ岳

ここのところ梅雨前線が活発になっていますが、南東北がまだカラリと晴れている隙間をぬって久しぶり(十何年ぶり)で尾瀬を訪ねました。今年は尾瀬で知り合い二人がそれぞれ別の小屋で働いていて、まずは今回、尾瀬沼の長蔵小屋で働いているMさんを訪ねました。

それならやはり燧に登って尾瀬沼入りでしょ!ということで福島県側の檜枝岐(ひのえまた)に前泊し翌朝、御池登山口から好天のもと登り始めました。田代はすっかり雪も解け広々していますが、急登の登山道はまるで小川のように雪解け水が流れ落ち、樹林帯では腐った残雪がべったり、それを乗り越えつつアルバイトさせられました。


これから登る向こうの燧ヶ岳には縞状にたっぷりの残雪で、その通過には少々緊張しましたが、登ってしまえばこちらのもの。下記のような大展望が待っていました。(写真をクリックすると大きく見ることができます。)

着いた長蔵小屋では偶然休日にあたっていたMさんが出迎えてくれ、夕食後には楽しい歓談のひとときも持てました。

天候に恵まれ燧ヶ岳の山頂では2時間以上ものんびりし、小屋での一泊で朝夕の美しい高層湿原の自然の変化(霧のうごきや陽の光の変化、湿原植物につく露や次第に花弁を開いていく小さな花々など)をゆっくり味わうことができました。そして、この大江湿原ではシカの食圧対策に大きな労力をかけているであろうことも又、察せられました。

大鹿村

     目の前に拡がる中央アルプス(左より南駒ヶ岳、右に空木岳) 
     目の前に拡がる中央アルプス(左より南駒ヶ岳、右に空木岳) 

毎年初夏・秋と恒例になっている伊那の大鹿村訪問。今回で5度目になるでしょうか。今回は初日こそ半日雨となり上村・下栗の里などを訪ねましたが、翌日はこれ以上ないといった晴天に恵まれました。分杭峠近くの北笹山(仲間内で‘命名’)の見晴らしのいい稜線にでれば、中央アルプスが正面にひかえ、遥か右手方向には北アルプス・乗鞍岳や穂高、常念岳まで見えます。後を振り返れば手の届くほどの近さで雪が消えている仙丈ヶ岳や白峰三山。奥に回り込めば塩見岳、そして大鹿村の二児岳、遠くは聖岳の台形や赤石岳など静岡県に連なる南ア最深部まで、とにかくスゴイ見え方でした。同行の方たちには寛いでいただき、二時間ばかり、稜線での極上の時間を過ごしつつスケッチできたのはこの上なく幸せなことでした。

大鹿村には「延齢草」という古い木造校舎を移築し宿泊施設としている所に毎回お世話になっています。

この「延齢草」のご主人、小林俊夫さんはヤギを飼育しその乳を搾ってチーズをつくっている「アルプカーゼ」という牧舎を営んでられます。

食事には地産の野菜や鹿肉、鱒、そしてチーズフォンデュ、朝は搾りたての濃厚なミルクなど身体が喜ぶ食材が盛りだくさんです。

 

が、こうした自然豊な大鹿村に現在、リニア新幹線の問題が立ちはだかっています。周囲を取り囲む南アルプス核心部にリニアの長大な(250㎞近くに及ぶ)トンネル工事が計画され、一旦トンネルから出たリニアが地上に現れる場所に大鹿村があたっています。排出される土砂運搬の為に、細い村内の生活道路に十数秒ごとに一台の頻度でダンプが十何年という単位で走り回ることになります。

 リニア問題については以前の「つれづれ」にも取り上げましたが(2014年12月23日)環境破壊や水の問題、残土の処理、電磁波などの上に大鹿村では直接的な生活破壊も切羽詰まった問題として目の前に立ちはだかっています。リニアの問題はどこか関係ない場所の話ではありません。JR東海の強引なこの巨大プロジェクの推し進め方、やり方には疑問を抱かざるを得ません。

それ以前にリニア新幹線など必要なのでしょうか? とてもそう思えません。

展望の山

                           名峰 金峰山と瑞牆山
                           名峰 金峰山と瑞牆山

「森のはなし・山のはなし」という会があります。年に2回、八ヶ岳南麓のペンション「ロッジ山旅」にて同好の仲間が集い、軽い山歩きと森山の話に花を咲かせます。すでにもう26回目とのこと、今回は展望の山、横尾山に行きました。下界では夏の暑さでも、標高1500m弱の信州峠からの登りは吹く風も爽やかで、ひとしきりの急登の後には大展望が待っていました。

(下の写真をクリックすると大きく見ることができます。)