フォトジャーナリスト 長倉洋海

昔、「フォトジャーナリストの眼」(岩波新書92.4.20)という本を読んで以来、この長倉洋海(ながくら・ひろみ)という写真家の作品は関心を持っていました。

 

東京都写真美術館で5月14日まで「長倉洋海の眼」ー地を這い、未来へ駈けるーが開催されているのを先日知人から聞いていました。そしてこの間の週末、NHKラジオの夕方番組『地球ラジオ』にご本人が生出演しているのを聞き、これは是非早めに行かなくては!と思ったのです。

 

世界各地に出向き、身の危険を伴うなかで撮影を続けてきたにも拘らず、当日のラジオでも肩に全く力の入っていない自然体での語り口に益々好感を抱きました。

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早春 北海道の旅 最終章

早朝の大沼からのぞんだ駒ケ岳です。朝日が差し込んできて裾野の樹林帯が、春の芽吹き前の枝先の色と朝日の色合いとが相まって桃色に変化していました。この息を呑むような美しい光景のなかに居ることが出来た、それだけで大沼公園に宿泊した甲斐がありました。しかも行き掛けに新聞配達の人に出会った以外は誰も居らず、貸し切り、独り占めです。沼面に鏡になってシンメトリーの駒ケ岳が見られたのも、この早朝のひとときだけでした。

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早春 北海道の旅 その4

 

本来なら中札内周辺で集中して描こうと考えていましたが、靄った山を前に潔く帯広を後にしました。

 

気象情報で天気図と雨雲の動きを調べると、帰路で向かう函館方面も悪くなさそうです。度重なる北海道訪問の際、必ずと言っていいほど繰り返し使う函館本線。その車窓には毎回、美しい駒ケ岳が見え隠れしていましたが、通過するばかりで実際に現場に降り立ったことは一度もありませんでした。そこで、北海道新幹線の始発駅に近い「大沼公園」に向かい、駒ケ岳が見えるかどうか、“勝負”を賭けてみることにしました。

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早春 北海道の旅 その3

明けて翌日、道路の石碑写真が出ていると言うことは・・・。そうです、山は雲のなか。中札内周辺には雨雲も通り過ぎ全くスケッチは期待できない天候です。前夜の考えでは、もっと南下して坂本直行が描いた構図に近い場所に向かうつもりでしたので、朝食後、取り敢えず出発しました。

 

北海道は広いですが、渋滞もないし道もいいのでそれなりに走ればそれなりに距離が稼げます。気づけば考えていた地点にあっさりと到達しています。でも山は雲の中。

ここでアッサリと頭を切り替え、一気に襟裳岬まで行ってしまうことにしました。観光に変更です。歌で有名なえりも岬、一度は行ってみたいと思っていました。ちょうどいい機会です。

写真はそのえりも岬に向かう十勝港(広尾町)以南、海岸際を走る道の起点にあった石碑です。空は怪しげな雲が一面に広がり、海も不思議な色合いです。

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早春 北海道の旅 その2

北海道に入り、いよいよ本格的行動開始。帯広からレンタカーを借りて南下していきました。だんだんと求めていたような景観になりつつも、今ひとつ山が遠くて自分にとっては“その気”になりきれない雰囲気です。後に知ったことですが、この時期もっと雪がたっぷりで真っ白の景観は北十勝(帯広より北)に向かわないとダメだったようで、今回のあたふたと計画した訪問はミスったか……と肩を落としました。が、それでも窓外の雄大な景色はそれだけで魅力的。せっかく天候にも恵まれた滞在初日です。精力的に訪ねたかった「観光地」を巡りながら、描きたい構図に出会えるよう車を走らせました。

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早春 北海道の旅 その1

ここ一年少しの間に「大人の休日パス」利用で度々、北海道へ行っていました。今回はその北海道新幹線開業一周年によるパス発売にて、再び雪解けが始まっているであろう道東を目指して出かけてきました。

 

目的は開拓農民の山岳画家として有名な坂本直行の絵の世界を求めて、十勝方面・中札内(なかさつない)に向かいました。坂本直行の絵は、北海道帯広銘菓「六花亭」の包み紙のきれいな山野草の絵柄でご存知の方も多いと思います。

 

中札内にはその六花亭コレクションの直行や相原求一郎と云った山の絵の美術館がありますが、開館は残念ながらゴールデン・ウィークを待たないといけません。こちらは実際の山並みを求め画材を背負っての訪問、まずは第一日目、帯広まで向かいます。

 

北海道内に入るとあちらこちらに開業一周年のお祝いムードの飾り付けが目に入り、微笑ましい「作品」もありました。まずは写真にて道内に入った雰囲気をご紹介します。

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木の時計

 

先日、ロッジ山旅の「木曜山行」に参加した帰り中央高速を相模湖ICで下り、藤野の神奈川県立「芸術の家」に立ち寄りました。この周辺は冬から早春にかけての里山歩きフィールドとして馴染んでいる場所ですが、「芸術の家」には十数年前に甥を連れて来たことがあるだけで、近くを通ることはあっても利用は今回が二度目でした。

 

前回もここに来たのは、工作室での作業目的で「木の時計」作りをしました。キット一式を求めあとはありとあらゆる物が揃っている‘工作室’で自作の品に完成させるだけ。県の広報を見ていたら、4月半ばまで例の「木の時計」作りをやっているのを目に留め今回もまたやって来たのでした。

驚くことにこのキットは1500円ほどの安価なのに、前に作った時計は単3電池一本の入れ替えのみで正確な時刻を十年以上刻み続けているのです。それに‘味をしめ’?又作ってみたいと思ったのでした。

 

左の写真が今回作った(と言ってもデザインを考え色など塗り組み立てただけですが)時計です。(壁掛け式です)

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斑山(まだらやま)とロッジ山旅

中央高速を西に向かい走っていると韮崎〜長坂IC間右手に何とも気分の良さそうな稜線を描いた標高1100mちょっとの斑山が見えます。地元では「まんどりやま」と呼んでいるそうですが転じて斑山か…。

私がこの山に行く時はもっぱら甲斐大泉ペンションのオーナー長沢氏のガイドで連れて行ってもらっていますが、それも今回で4回目となるようです。ロッジ山旅からは至近で楽しめる津金の山として、ミツバツツジの美しい時期など度々訪ねているわけです。

 

新緑にはまだ少し早いこの時期、眺めの方もこの日ばかりの春の陽気(汗ばむほど!)で茫漠とした展望でしたが、気分よく“貸し切り”の道なき静山を半日愉しみました。

 

足首が潜るほどの落ち葉の柔らかい山肌を踏みしめながら、途中、戦国時代名残の狼煙台や、後年納められた馬頭観音の石碑などを見ることができ、人の訪れることの少ないこの山も昔日には多くの足跡が残されたのでしょう。

 

 昼には下山し山麓の日当たりよい場所にて昼食とし、その後は玄関、食堂、ベランダをリニューアルしたロッジ山旅のお披露目宴会のために宿に向かったのでした。

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