Gargas・ガルガを訪ねる

Gargas(がルガ)は写真のようなお蔵の画廊喫茶です。長野県・松本市にあります。

長野県東御(とうみ)市・八重原に住む芸術家仲間の人たちが以前からここで展示会を開いていて、この画廊を訪ねるようになりましたが以来、すっかりお気に入りです。松本駅から徒歩で15分くらい。

 

先月も「山・雷鳥展」という企画展を見に来たのですが、今月はこの喫茶画廊のオーナー・熊谷俊行さんの個展だったので是非!と再びやってきました。

 

しかも、その八重原在住の造形作家の冬美さんと陶芸家のりわ子さんが忙しい時間をおして私の都合に合わせてこの日、やってきてくれるとのこと。久方ぶりの再会も楽しみに臨時特急「はまかいじ」(横浜ー松本間直通)車中の人になりました。まずは熊谷さんの展示会、そして二人との久しぶりの逢瀬、もう一つはこの「はまかいじ」乗車の楽しみ。個展前でワサワサしている中、私自身も息抜きの一日を過ごします。

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飯豊山を振り返って

この本はヤマケイ新書から2016年12月に出た「『山の不思議』発見!ー謎解き登山のススメ」(小泉武栄著)です。小泉先生の本は昔、偶然目に留めて読んだ「日本の山はなぜ美しい」(古今書院)がきっかけで、以来新しい本が出るとよく読んでいます。

 

と言うのも、山の絵を描くにあたって常に「どうしてあそこは植生がなく黒っぽいのだろう?」とか「なぜガラガラした地形なのに、こちら側は笹原なのだろう?」とか疑問だらけでいたのです。そこに出会ったのが小泉ワールド「山の自然学」の世界でした。まさに目からうろこ。元々自然科学が嫌いではなかったのでグイグイと引き込まれ、この「山の自然学」のおかげで描くにあたってもいろいろな事が理解でき、それ以上に山を歩く楽しみが深まるのが何よりでした。

 

つまり自然のなかでは「答え」を知ることより、まず「どうして?」という疑問を持つことの方が数倍も楽しいのです。必ずしも答えが分からなくとも、その「どうして」に自分なりの“推論?”(いい加減で適当なものであっても)を立てながら接することで何気なく見ているものもよく見つめますし、山で過ごす時間や山歩き自体が奥深くなるような気がするのです。

(ちなみに、この本の第1章に突然私の名前が登場していてビックリ。後日、先生からのお年賀状に「あなたのことを書いちゃいました」とありニンマリでした。)

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アルプ搬入 2週間前

毎度のことですが、個展に作品搬入前の今が一番、荷物がごった返している時期です。(写真はその一部)

 

昔描いていた油絵に比べれば、水彩画は格段に場所を取らずに助かりますが、それでもコツコツと描いているといつのまにやら「紙の山」となります。描くのは夢中になっているのでいいのですが、さて溜まった作品の整理整頓となると先送りで、やらねば…やらねば…と思いながら、やっとある日に重い腰を上げ取り掛かる、の繰り返しです。

 

そして個展準備が始まるとそれら作品の取捨選択がまず悩みのタネです。場所、季節、前回との兼ね合い、作品の大きさ、数量、個展そのものの構成などなどを考えはするのですが、実際はどれを額装していくか、毎回悩みに悩みます。

描くときは、何も考えていません。横に広がる構図の山が相手なので、無意識にスケッチブックをどんどん横に継ぎ足して、どこまでも長い絵を描いてしまうこともしばしば。また、どうしても持参の画帖のなかでも大き目のものに好んで描いてしまうのも、対象が巨大なせいで後先考えず・・・。するといざ額装の段階で大変困ることになるのです。

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飯豊連峰を訪ねる3

大日岳を御西小屋からピストンした三日目の朝、その日は辿った道を折り返しで歩く復路日程です。大日岳の山頂ではちょうどガスに包まれ真っ白でしたが、登り下りの道中では立派な山容の大日岳を十二分に楽しみながら、また豊富な高山植物を愛でながらのハイライトでした。

 

さて、復路。本来の宿泊は本山小屋を通り過ぎガレ場の急坂を下り御秘所(おひしょ)の岩場や草履塚のピークも越えて辿り着く切合(きりあわせ)小屋の予定でした。ところが、梅雨明けして好天がしばらく続く天気予報のせいで一斉に登山者が山に繰り出したのが、この日だったのです。スケッチなどで時間を食った分、到着した午後の切合小屋はア然とするほどの混雑ぶりでした。

小屋の真ん前に水場のあるこの小屋に泊まれると楽ですし一旦は宿泊手続きをしたものの、同じ混み合うのなら初日にお世話になった三国小屋の方がいいのでは…と判断し、普通なら小屋にザックを下ろし寛ぐべき時間帯でしたが意を決して再び荷物を背負い上げ、二時間弱先にある三国小屋を目指し歩き始めました。しかし、その1時間半の厳しかったこと! そして、着いた三国小屋では・・・。(写真は夕刻辿り着いた三国小屋前、小屋内では炊事ができず外で夕食の準備を始めるところ)

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飯豊連峰を訪ねる2

入山二日目、いよいよ本格的な縦走に入ります。天気は申し分なく、一気に夏山気分です。

しかし初っ端から急坂を下ったかと思えば梯子と鎖で岩場を急登、続いていはザレ場のトラバースあり雪渓ありと変化に富んだ登山道です。

また今回の山行では縦走中、ほぼ途切れることなく高山植物が咲き乱れ、苦しい登りも随分と励まされました。雪が多かったとのことで、たっぷりの雪渓や雪田が残り、溶け始めたばかりの箇所には早春の花や湿原の花も、雪解けが早かった場所では夏の花と一緒にすでに初秋の花も咲いていて、幅広い季節の花々を楽しめたのは幸運でした。いろいろな山を登ってきましたが、こんなに花に溢れた山行はもしかして初めてだったような気がします。

二日目は御西小屋までの予定ですが、途中で菊判和紙を拡げての制作や花のスケッチもあったりで到着は16時を回ったいい時刻。三国小屋から来たと言ったら、小屋の管理人さんから「えー!どこをどうやって歩いて来たのよぉ」と呆れ返られました。歩きの遅さに加え停滞時間の長さもあり、多めに見ていた行程がちょうどでした。

 

*上の写真はこれから向かう飯豊本山の方です。正式な山頂はもう一つ向こう側に隠れていますが、見えるあの急登がこの日、一番のこらえどころでした。花などは下記に写真でご紹介していきます。

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念願の飯豊連峰を訪ねる1

福島と山形県境の飯豊(いいで)連峰はそれこそ大昔からの憧れで、一度は訪ねたいと願っていました。この夏、その夢が叶いました。どこから登っても急登に次ぐ急登。北側の石転び沢の雪渓から登る技量と体力は自分にはないと分かっていましたので福島側の川入集落からの大ピストン縦走を計画しました。それも普通の日程より一日分多めの設定です。

 

天気が良ければ巨大な山容を稜線からほしいままに描けるかもしれない…。そんな期待を抱き、自分のザックには絵の道具を主に、そして共同装備を担当してくれる山友の同行で東北に向かいました。が、東北地方の梅雨明けはまだだったようで、川入集落での前泊では明け方から雨が降り出していました。(写真は三国小屋からの大日岳、夕陽のシルエット Aさん撮影)

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