今年の夏山、南アルプスの塩見岳に行ってきました。3回に分けてその山旅をアップしていきます。(今回掲載の写真はTさん撮影のものが中心です)
写真は登山口のある、長野県下伊那郡の大鹿村から遠望する赤石岳の景観です。小渋川に架かるのは三連アーチ式の古い小渋橋、一番遠くに見えるのが赤石岳ですが、残雪の頃には遠いこの三千メートル級の山だけが真っ白に輝いて見え、一枚の絵のようにそれは美しいものです。当初はこの赤石岳に登り、それから聖岳に回る南ア南部の三、四泊コースを計画していましたが、天気を考慮し(ちょうど3000m近い稜線上で激しい雨になりそう)今年の夏は塩見岳に変更しました。
行程は山中でゆっくりするために二泊三日。行ってみて驚いたことに、この塩見岳を日帰りする人たちがとても多いことで、もちろん一泊二日の人も少なくありません。私は山中で絵を描きたいこともありますが、同行の仲間も休暇を取ってのせっかくの夏山、滅多に行けない高山、じっくりと山の時間を味わいたいし、山頂近い塩見小屋と下山時に三伏峠小屋に泊まる計画ででかけました。
塩見岳は何枚か伊那の山から描いていますが、実際に登るのは初めてでとてもワクワクしての出発です。
暑さだけは相変わらずですが、不安定な天候が続きます。そんな立秋後の一日、山友達の休日を利用して一緒に群馬県の上野村まで「鈴木澄雄写真展」を見に行ってきました。(会期・場所などの詳細は上のブルーの字をクリックしてください)
鈴木澄雄さんは1970〜80年代、丹沢を沢中心に隅々まで歩き取材し、その後、ブナをテーマに全国各地の山を回ってきた写真家です。90年代にかけて丹沢のブナの立ち枯れ問題が目立ってきた訳ですが、そうした自然環境の問題にも着眼しながら、最終的には一番丹沢に似ていると感じた奥会津・只見のブナの森に仕事場を移され現在に至っています。
厳しい自然の中に分け入り忍耐強く取材をされ続けるなかにも、小さなものにもきちんと眼を向け捉え続けている優しさが感じられ、見ていても心が和みます。
水蒸気というか日本特有の湿度を感じさせる写真作品の数々には昔から惹かれています。