富士山頂測候所とサイエンス・カフェ

昭和生まれの者にとっては、富士山頂の一番高いところに建つ気象観測用のドーム型富士山レーダーは、ちょっと誇らしい存在でした。地上では観測できない4000m近い標高で、大きな台風の接近やそれまで不確定だった気象情報の精度が飛躍的に伸びたのです。

 

その貴重な測候所も宇宙に人工衛星が飛び回るようになると、富士山頂での正確なデータ観測は不要になってしまい、ドームは2001年9月に撤去されてしまいました。

 

その後、測候所自体すべて撤去される話も持ち上がりましたが、この高度で植生や下界の人間活動の影響を受けずに様々なデータが取れる理想的な場所は他にない、ということで現在、有志により活用が存続しています。

<写真はインターネット上より>

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東北の山旅4終章・下山

静かな夜が明け、外に出てみると、ベンチにうっすら雪が積もっています。堅牢な木造の小さな小屋内は、氷点下にはなりませんでしたが、朝方冷え込んだわけです。

 

朝食をとっているうちに外が明るくなってきたので、私は小屋の位置からだと見える十二湖への稜線をスケッチ。

 

描き終えて山頂に行くと、雲が大きく動いては、朝の日差しが射したり隠れたり…、「天使の梯子」とも言われるチンダル現象も美しく、白神岳での最後のひとときを心ゆくまで貸切の山頂で過ごしました。

 

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東北 秋の山旅3 白神岳山頂

さて山頂を目指し、時間を遡るのではなく、先取りしていくように深まる秋の世界に入っていきます。

雲が垂れ下がるような天気でしたが、幸い雨粒が落ちてくることはなく、そこそこの展望もききました。冴え渡る紅葉、という具合には行きませんでしたが、落ち着いた色合いの「みちのくの山」を味わいました。

 

この写真は山頂付近から、白神山地本体!を眺めたものです。この大きなブナの森の塊が、つまり世界遺産とされたのですね。特徴的なピークがある山塊ではありませんが、見晴しのよい山頂ではどこまでも続く大きなブナの森を飽くことなく眺めていました。

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東北 秋の山旅2 十二湖〜白神岳へ

青森県の日本海側へ移動後、午後の時間を利用し「十二湖の森」へ行ってみました。想像していたより、観光地化された所でした。奥の駐車場に向かう道の途中からは、「日本キャニオン」と呼ばれている真っ白な不思議な岩が林立する山肌が垣間見え、ドキッとしました。

 

美しい自然と共に、どうして?と思わざるを得ないような不可思議な造形が至る所、自然には存在しています。その成り立ちの謎は、地球のダイナミックな歴史の中にあり、その結果の際どい均衡の上に、今の私たちが楽しんだり利用させてもらったりしているのを感じます。

 

自然を一方的に経済性から利用するばかりでは、この繊細で微妙な均衡も当然破壊されてしまいます。そしてその結果が、今の温暖化や或いは、このコロナ禍でもあるようです。

豊かなブナの森も、碧い池も、観光客を楽しませながら静かな様相をしていますが、目に見えないところで自然のバランスを精一杯がんばって保とうとしているのではないか…、そんなことも考えるのでした。

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東北 秋の山旅1・平泉〜小安峡温泉

台風が大きく南にそれた後も天候は定まりませんでした。が、予定していた東北に向かいました。

 

一路、東北道を北に、しかし明けた朝は雨。当初は栗駒山周辺に向かおうかと考えていましたが、平泉市内でガソリンを入れたときに、すぐそばに中尊寺があると気づき、急きょ世界遺産を巡る旅に切り替えました。

おそらく初めての訪問。修学旅行で来たことはあったか?それすら記憶が薄く、ちょうどいい機会となりました。

<写真は中尊寺内の峯薬師堂>

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生物多様性と新型コロナ

しばらく、カレンダーの発送作業などに追われて「つれづれ」の更新から離れていました。

台風は関東地方の上陸にはなりませんでしたが、伊豆諸島では暴風雨に見舞われ、ものすごい雨量になっているようです。

若い頃に、三宅島には何度か遊びに行きました。美しい海と激しい地形の小さな島。が、幸いにも今回、人的被害は出ていないそうで、それは良かったと思います。

 

さて、以前活動に参加させてもらっていた「渋沢丘陵を考える会」の方から、下記の動画をご紹介頂きました。

渦中の新型コロナ・ウィルスを自然環境との関係から解説した、とてもわかり易いものです。人間が自然に対して何を行ってきたか、これからどうしたらいいか?を考えるきっかけになれば…と思います。

 

TVでおなじみ、ダニ博士が語る】新型コロナウイルス発生の裏にある“自然からの警告”」国立環境研究所 五箇室長メッセージ

 

 

初めての常念岳2

下山の途中、沢のゴーロ(岩ゴロゴロ)で、バカでかい80リットルはあるザックを背負った青年二人が、ポンポンと軽い足取りで過ぎていきました。デカイけど、中身は発泡スチロールじゃないか?という軽妙な動き。

 

しかし下山口に居たその青年たちとザックを見て、試しにちょっと持ち上げさせてもらいました。重い!! 二人はにこやかに「登りはもっと重かったし、軽いっすよ」と。

後から降りてきたのは例のNHKクルーと写真家の渡辺氏。二人はその歩荷役だったのです。その他途轍もない三脚を括り付けたザックを若い女性が肩から下ろし配車の手配をしています。こうした裏方が居てこその番組だと分かります。

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初めての常念岳1

里からよく見える山の一つとして、信州・安曇野からの常念岳は、甲州の甲斐駒ヶ岳と並んでダントツな名峰です。地元・松本の人は昔から「常念坊」と呼んで親しんできた山で、学校登山でも登られています。

 

安曇野方面に来るとその姿を目に留め、描かずにはいられず多くスケッチしているのがこの常念岳なのですが、何故かまだ登ったことがありませんでした。一度は行きたいと思いつつ何年も…、そこに先日、山仲間Mさんから突然のお誘いでトントン拍子に計画がまとまりました。

 

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