三陸沿岸を乗り物で〜その2

さてBRT(バス高速輸送システム)の終着駅「盛駅」からは三陸鉄道南リアス線に乗り換えます。

盛駅前は向かって右手がJRの駅舎、そして左側に三陸鉄道の駅舎が並んでいますが、JRは鉄道ではなくBRTのバスなので今ひとつ‘活気’に欠けます。

 

その代わり?三陸鉄道の方は写真のように広くない駅待合室ですが、所狭しと「三鉄グッズ」が並べられ、目移りしてしまうほど。しかも駅職員の女性がとても細やかに温かく接客してくれて、何となくお土産の一つでも買いたい気分になります。売店脇のテーブルと椅子では、地元のおじさん達がお茶をしながら世間話をしていました。とてもいい雰囲気の駅でした。

さて、いよいよ出発です! 当日は梅雨の空模様でしたが、列車が走りだすと「ご利用ありがとうございます!」という横断幕を持って、駅員の女性が外で手を振って見送ってくれていました。三鉄のこうした心配りと鉄道運行に対する前向きな姿勢、これは震災後わずか5日後に北リアス線の久慈〜陸中野田駅間に「復興列車」を走らせ、以降、2014年4月6日には全線復興させた頑張りに象徴されるようにそのまま各所に表れ、私たちに伝わってきます。駅だけでなく列車の運行自体も、リアス式海岸の名勝である美しい湾を通過する時には速度をグッとゆるめて、景勝地をゆっくり眺めたり撮影したりできるようにしてくれていました。特に「恋し浜」という素敵な名前の駅では三分ほどの停車時間をとって、乗客が自由にホームに出て楽しめる、心憎いサービスもありました。

昨秋、北リアス線の宮古駅で求めた人気の鉄道写真家・中井精也氏の『夢と希望の三陸鉄道』写真集。これには、三鉄誕生時から震災直後の惨状、そして復興列車運行までの数々の場面が載っています。

地元の人たちが震災直後に運行した「復興列車」に精一杯を手を振り、大漁旗を振り、自宅の家の窓には横断幕をあげ・・・どれほど被災した人たちの心の支え、希望になったのかが、それらの写真でも分かります。

 

すでに五年以上たっていますが、前回の北リアス線、そして今回この南リアス線に乗車できて良かったと思っています。