最北端への旅 その5

鉄道の話ばかりでしたが、やっと山が登場です。稚内に到着し宗谷岬に行った翌日、終日現地で過ごせるたった一日、この日に天気の照準を合わせて来ましたが、それが幸運にもピッタリとなりました。レンタカーを借りてノシャップ岬方面に向かいました。岬を西側に回り込んで、昨日鉄道の車窓から見たサロベツ原野の日本海際の道路を走れば、もしかして利尻富士が見えるかもしれない…と云う希望を抱いて遥々やってきたのですが、見事、写真のような美しい利尻岳の姿を目にすることができました。午前中はそれでも頭を雲の中に隠しなかなか全容が現れなかったのですが、昼休憩を挟んで「ノシャップ寒流水族館」から出てきてふと日本海側を見ると、な・なんと! きれいな三角錐が見通せるではありませんか!!

 

午前中に引き続き、車を停められる場所を必死に探し、夢中になって利尻岳のスケッチをしました。レンタカーのおかげで強風や極寒を避け描くことが出来ましたが、狭い車内での制作で翌日は無理な姿勢と自重を支え続けたおかげで、足腰がひどい筋肉痛になっていました。絵に夢中になると他のことを忘れてしまう為、後になって「しまった…」となります。

 

けれど、夢にまで見た美しい利尻富士を奇跡的に見ることができ、心の中で手を合わせて感謝しつつ描いていました。初めて訪ねた北の最果てで、地元の人でも山頂まで見ることが珍しい利尻岳を、しかも雪化粧の美しい姿を描くことができ、本当に幸運な一日でした。翌々日からは30mを越えるような暴風雪がひかえていたのです。