北の大地へ その5

根室での充実した一日を過ごした後は、釧路に向かいました。「大人の休日パス」を目一杯使う為に一気に帰浜せず、釧路湿原を訪ねて行くことにしたのです。

 

その為に始発の「花咲線」に乗るべく、まだ暗い根室駅に向かいました。すでに列車は入線していて車内はポカポカに暖まっています。こうして定刻どおりの運行をするために、厳寒の雪のなか、どれほどの人たちが深夜から作業に当たっているのか…。今回の旅でもそうしたことを考えずにはいられません。

 

根室5:50発の各停列車も、停まる駅ごとに次第に仕事の人や学生たちをどんどん乗せて、後半は立っている人もいるほど。道北・稚内周辺の宗谷本線の殆ど人の乗降のない各停とは、ちょっと様子が違っていました。

 

釧路湿原では「一日ガイド」を頼み、効率よく広い湿原を回ることがができました。怪しかった天候も曇天ながら降られることもなく、それなりの眺望もきき、午前中は誰もいない樹林帯のなかのスノーシュー散策。午後はタンチョウの餌付けをしている所と保護活動をしているセンターを訪ねました。かつて、夏に釧路川を半日コースでカヌーで下ったことがありましたが、その時とは全く趣きを変えた湿原の雪のなかを歩くことが出来たのは、興味深かったです。短い時間でしたがスノーシューでたどり着いた人気のない展望台、そこから俯瞰した広大な湿原をしばし描けたのは我を忘れる‘集中時間’でした。

 

この三脚を立てたフィールドスコープを覗いている写真ーー湿原の決まったある木にやって来るオオワシを探しているところです。見事!ガイドのRさんはピッタリと狙いどおり、オオワシをスコープにとらえました。

 

こちらの写真は釧路川を泳いでいるシカです。ガイドのRさんが車を川沿いの道に走らせているときに見つけました。多分、滑って落ちたか雪(氷)のヘリが崩れたか…誤っての転落でしょう。川の流れに乗って泳ぎ自体は上手なのですが、これがどこまでもどこまでも陸に上がれません。時折這い上がろうと「努力」するのですが、実は雪のヘリの下には上から見えない氷が覆っているのです。シカの蹄の足では滑ってその氷を上がることができない。かなりの時間、並走して「がんばれ!がんばれ!」と思わず声を上げて応援していましたが、ついに見ている間にはあがることが出来ませんでした。

 

あのシカは一体その後、どうしたでしょう・・・・。

登山中の事故もそうですが、ちょっとした転倒やつまずきでも、場所が悪ければ滑落事故になったり時には死に至ります。自然界の生き物も日常茶飯にこうした過ちから命を落とす危険と背中合わせで生きていることがわかります。