鳥井立から赤鞍ヶ岳へ

毎年、暮れの時期に行く山は丹沢の北側、道志方面が多くなります。今年は冬将軍の到来が早く、北の国は猛烈な低気圧で暴風と大雪で大変な年末になっていますが、こちら太平洋側は例年どおり申し訳なるくらいの好天が続いています。関東と言っても群馬県北部(沼田や谷川岳の方)や長野に近くなるとすでに日本海側の冬型の影響の圏内となります。そこで太陽の暖かさに恵まれ近場で静かに山歩きが楽しめる先として、道志や山梨県の秋山村の方に足が向くことになるのです。

(写真は厳道峠・がんどうとうげ・近くから見る大室山)

この写真が手前の細茅ノ頭を越えたあたりから見た赤鞍ヶ岳です。この稜線は中央本線(中央高速道)脇に連なる馴染みある山々からもう一つ向こう側奥の山稜です。つまり山中湖に抜ける「道志みち」の丹沢に対して向かいに伸びる山稜ですが、不便な分とても静かです。この日はまだ凍結してない峠越えの道路を辿り厳道峠まで車で入りました。

 

まず峠からの第一発目急登が厳しいですが、それを越えればあとは気分のいい稜線歩き。往路は左手に北丹沢の名峰を大きく見ながら、右手眼下には秋山村の集落、そして中央沿線の山に加え大菩薩連嶺が滝子山まで連なるのがよく見通せます。登るに従い正面には富士山もドンッと見通せなかなか贅沢です。これも冬枯れの季節ならでは。途中のポカポカの日溜まりでお茶タイムとし、左から蛭ヶ岳(丹沢の最高峰)、檜洞丸(ひのきぼらまる)、そして真正面の大室山へと連なる姿を画帖の紙をどんどん継ぎ足し四枚を一気にスケッチ。時折、檜の植林帯もありますが概ね林相の美しい気分のいい稜線歩きを続けます。そして圧巻は最後の赤鞍ヶ岳への取り付き付近に広がる見事なブナ林でした。

 

丹沢山塊が海風で運ばれる汚染物質を防御してくれているのか、道志方面の山の姿は昔日の丹沢を歩く趣きで、ブナも笹も健全だったり懐かしい思いに浸れます。不便なことで人も極端に少ないのもオーバーユースから免れています。温暖化や乾燥、シカの食圧の問題などありますが、往年の山歩きの味わいを残すこうした山並みが年末の愉しみとなっています。