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北海道・東大雪の旅Ⅳ

 雪の華です。これも前出のKさんから送っていただいた一枚です。

滞在中、自然のなかで過ごせる最後の日「ボレアル・フォレスト」と云うネイチャーガイドさんをお願いして終日、然別湖周辺のスノートレッキングをしました。美しい雪の造形や、動物たちの痕跡の数々、また暴風や台風被害で痛めつけられた森の姿などなど、多くの発見や不思議を見つけながらの、大変満ち足りた一日を過ごすことが出来ました。

歩きはじめは然別湖より標高を上げた「しらかば峠」からです。名前は「白樺」ですが実はこの峠に生息しているのはほぼダケカンバ。そして出発点にはひときわ木肌も艶やかで、美しい樹形のダケカンバが立っています。名前がないのが残念なほど、美しい樹です。

 

レンタルのスノーシューをここで付け、いざ出発。ガイドは阿久澤小夜里さん。ご夫妻で然別湖周辺を主なベースに年間通し、カヌーや登山など幅広くガイドされています。阿久澤さんとのご縁は、実は数年前、たまたま山梨方面に向かう中央本線下り各停のボックス席で同席したのが彼女のご両親だったのです。何気ない会話から、ご両親とその後暫くお手紙のやり取りをしていた私。その文中に「娘が北海道でガイドをしています」とあったのを思い出して、改めてお尋ねして今回のガイドにこぎつけたという経緯があります。とても不思議な事です。なので、初めてお目にかかるのを楽しみにしていました。

 

小夜里さんは温かい雰囲気の方で、ガイドもゆったりと小さな自然の落とし物にも細やかな視線を以って接し、一つひとつ丁寧に教えてくださいました。まさに私のいつもの山行=「超のんびり山歩き」そのもので、大自然の中で心から憩って過ごせました。小夜里さんからは「とっても自然が好き!」という気持ちが伝わってきて、私も思う存分大好きな山のなかの時間を味わえます。午前中は正面に東ヌプカウシヌプリが見える所まで登り、しばらくスケッチの時間。(右写真は小夜里さん撮影)

 

午後からはご主人の忠邦さんがご担当。同じく優しさが伝わるお人柄で、午前中同様、静かな自然を思う存分味わえました。無雪期にはブッシュで入ることの出来ない然別湖に隣接する駒止湖の湖畔まで足を伸ばし、スノトレならではの「特典」に気分をよくしたのでした。

 

最後の一日を地元を知り尽くしたプロの案内でじっくりと東大雪の自然を愉しむことができ、振り返れば大変充実した締めとなりました。ガイドの「ボレアル・フォレスト」さんには心から感謝します。そしてまた冬の時期も季節を変えても機会を作って訪ねたい所と思いました。