南アルプス・塩見岳 その1

今年の夏山、南アルプスの塩見岳に行ってきました。3回に分けてその山旅をアップしていきます。(今回掲載の写真はTさん撮影のものが中心です)

 写真は登山口のある、長野県下伊那郡の大鹿村から遠望する赤石岳の景観です。小渋川に架かるのは三連アーチ式の古い小渋橋、一番遠くに見えるのが赤石岳ですが、残雪の頃には遠いこの三千メートル級の山だけが真っ白に輝いて見え、一枚の絵のようにそれは美しいものです。当初はこの赤石岳に登り、それから聖岳に回る南ア南部の三、四泊コースを計画していましたが、天気を考慮し(ちょうど3000m近い稜線上で激しい雨になりそう)今年の夏は塩見岳に変更しました。

 

行程は山中でゆっくりするために二泊三日。行ってみて驚いたことに、この塩見岳を日帰りする人たちがとても多いことで、もちろん一泊二日の人も少なくありません。私は山中で絵を描きたいこともありますが、同行の仲間も休暇を取ってのせっかくの夏山、滅多に行けない高山、じっくりと山の時間を味わいたいし、山頂近い塩見小屋と下山時に三伏峠小屋に泊まる計画ででかけました。

塩見岳は何枚か伊那の山から描いていますが、実際に登るのは初めてでとてもワクワクしての出発です。

大鹿村には国の重要無形民俗文化財に指定されている大鹿歌舞伎という地芝居があり有名です。

また村内には中央構造線(恐竜の時代にできた日本の骨組みを大きく組み替えた大断層)が走り、私たちがこの目でその構造線を見ることが出来る箇所がある(河原に露呈している)、地質学的にも大変珍しく貴重なところでもあります。

 

村内には「大鹿村中央構造線博物館」があり、下山後にはそこに立ち寄り、学芸員の方から大変詳細な地質の説明をしていただきました。専門的で難しい内容ではありましたが、どれも興味深いもので、その一つ、三伏峠に登る途中にある水場(写真では分かりにくいですが、水が出ている)、登山者にはとかくありがたい存在である水場ですが、実はここは仏像構造線という関東から九州・沖縄へ続く大きな構造線(仏像は高知県土佐市の地名)が通っている場所で、その断層の隙間に水が流れ出しているという事を知り驚きました。おいしい〜!と何気なく(感謝しつつ)飲んでいる山の水も、そうした地球規模的な壮大なドラマが背景にあり口にできているのです。