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友と訪ねた八島湿原

友人の休みに合わせての山梨から信州への旅、週間予報とは打って変わって良い方に傾いた天気になりました。

二人共通の学生時代友人の同級生がやっている車山高原のゲストハウス「うらら」に泊まった翌朝、足を伸ばせばすぐの八島湿原に向かいました。まだ朝早かったので、駐車場には殆ど車もなく、静かな歩き始めです。

 

せっかくの好天なので、湿原めぐりではなく、今日は四方が見渡せる鷲ヶ峰に登ることにしました。私にとっては複数回登っている親しい山ですが、こんなときのハイキングにはうってつけです。

すでに秋色に染まり始めた湿原を眼下に見て、秋の花々を楽しみながら歩きました。南アルプス始め遠方の眺望はさすがにききませんでしたが、爽やかな空気と直接的な日差しのなか、二人貸し切りの山歩きは最高の気分。山頂でのひととき、私は夏のいっせい緑だった山の木々が多少退色気味にグラデーションしているのを美しく感じ、そんな光景をスケッチしていました。

 

そして山頂を後にして下山の折、ちょうどこの草原のところで出会ったご夫婦連れと交わした会話で、この日のこの山が私たちにとって忘れられないものとなりました。

お二人は十日前にも此処にいらしたそうで、その時にはまだこの紫のトリカブトの開花には早く、その日再度また訪ねてみえたとのこと。私たちがたまたま図らずも出会えたこの一面の紫の草原が実はとても貴重なタイミングだったのです。