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山の本倶楽部・女子部山行

白山書房の季刊誌『山の本』には山の本倶楽部という、読者が会員になって定期的な山行を中心に親睦をはかっている会があります。その会のなかで「女子部」と称し女性だけの会をつくり、本家本元の倶楽部より活発に活動しています。

 

やはりそこは女性パワー、いやオバサン・パワー。口八町手八丁でお喋りもですが、とにかくその食材、それにまつわる演出の素晴らしさには毎回そこが山上であることをわすれさせるほどです。しかし楽しくて美味しいだけではなく、中心には経験豊富な登山(雪山、岩、登攀など)のエキスパートであるメンバーも指折り揃っているのですから、鬼に金棒?です。

 

今回は初めて私がリーダーとなり、そのつわ者揃いの女子部の皆さんを自分の“テリトリー”でもある厚木荻野の西山にご案内しました。もちろんコースは西山三山(経ヶ岳・華厳山・荻野高取山・発句石)の縦走コースです。

経ヶ岳の急登をこなし山頂にて記念撮影後、こんどは急降下を慎重に下り華厳山に向かいます。当日は天気はいいものの、稜線やスギ・ヒノキの植林帯の影では凍えるような冷たい風が吹付け、歩いていても冷凍庫にいるように身体が冷えてきます。

 

華厳山への急登をこなしたらお待ちかねのお弁当タイムですが、それは南面の「ヒオウギ広場」=「西山を守る会」で名付けた=を予定していました。さて、ヒオウギ広場に飛び出した途端、風も遮られ、まるで炬燵のなかに入ったような温さに包まれ歓声。案内役としてはホッとした瞬間でもあります。

 

当日、一番嬉しかったのは歩いている最中、メンバーの口々から「いいわね〜、ここ」「すごくいい所ね〜」「こんど友達も連れてきたい」等など“絶賛”のことばがあったことです。

 

「西山を守る会」の月例山行で何度となく歩き、自分のホームグラウンド的な山でもある山を、初めて歩いた仲間たちがそうして“褒めて”くれること、そして気に入ってくれたことに、何となく鼻が高いような誇らしいような気分になりました。

 

最後は恒例の発句石まで行き、採石工事進行中の現場も皆さんに見てもらいました。そしてそれぞれの思いを込めた句を、発句石のある山上に設置してある「投句箱」に入れてもらいました。

いい山行が出来たのも、日頃からの「西山を守る会」の活動、山の整備のおかげであることも再確認しました。またいつもの月例山行では気づかなったことも多く、改めて初心で歩けたような一日となりました。

<写真は当日の最高のプロムナード、華厳山から高取山への「大ダルミ」の稜線あるき>