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初めての常念岳2

下山の途中、沢のゴーロ(岩ゴロゴロ)で、バカでかい80リットルはあるザックを背負った青年二人が、ポンポンと軽い足取りで過ぎていきました。デカイけど、中身は発泡スチロールじゃないか?という軽妙な動き。

 

しかし下山口に居たその青年たちとザックを見て、試しにちょっと持ち上げさせてもらいました。重い!! 二人はにこやかに「登りはもっと重かったし、軽いっすよ」と。

後から降りてきたのは例のNHKクルーと写真家の渡辺氏。二人はその歩荷役だったのです。その他途轍もない三脚を括り付けたザックを若い女性が肩から下ろし配車の手配をしています。こうした裏方が居てこその番組だと分かります。

今回の山行で印象的だったのは、登りから同じペースで(つまり超ゆっくり)途中でも何度か追いつ抜かれつし、着いた小屋前でのベンチでも見かけた白髪の、おそらくお父さんと息子さんの寡黙なパーティです。

お二人は大きなザックでテント泊の様子、ベンチでは軽食のカップヌードルを作り「夕食用の水は買わないと…」と会話していました。

 

たまたま下山も同じ頃になり、水場でも軽く会釈し、最後駐車場で一緒になりました。互いに疲れがピークの場面でしたが、それでも爽やかに「長かったけれど、いい山でしたね」と一言、最初で最後の言葉を交わせ、何故かしっとりと嬉しい心地で常念岳山行が終了しました。