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武川岳を訪ねる

日帰りの手頃な山を訪ねるには、とてもいい季節になりました。とは言え、ここ数日の異常な暖かさは気味が悪いくらいです。週末には例年の寒さに戻っていくそうですが、コロナ禍第三波?の今、寒暖の差の激しさや乾燥も気がかりです。

 

さて、そんな日帰り山歩きで行く先を考えていた時、ふと武甲山の対面にある武川岳にまだ行っていなかったことに気づきました。武甲山に向かう人は多いでしょうが、武川岳はきっと貸し切りでしょう。コースとしては一ノ鳥居の駐車場を起点終点に、武甲山〜小持山・大持山と周回し戻るのが普通のようで、ちょっと健脚だと、妻坂峠から武川岳まで一足伸ばす人も居るようです。

 

が、超のんびり歩きの私たち(同行の山仲間のIさん)はコースタイムの1.5倍以上かけて、一つ一つの山をゆっくり辿ります。以前、武甲山を訪ねて様子が分かっていた一ノ鳥居から今日は反対の南東に向かい谷を登っていきました。

<この日もいい天気で、落葉の樹々越しの空が青く広がっていました>

武甲山は言わずと知れた「秩父石灰工業」のプラントに山麓を取り巻かれ、人工的に削り取られている山です。その姿は痛々しくもありますが、しかしそれでも秩父の名峰は、雄大にその存在感を放っています。

 

その武甲山と妻坂沢を隔てて対面にある武川岳。沢筋を歩き始めると目を引く色の岩がたくさんあります。真っ白なの、赤いの…。

白いのは石灰岩でしょうか、そして赤いのはチャート=大昔、海の底で海中生物の殻などが堆積したもの=ということですが、この赤さは酸化鉄鉱物に起因しているそうです。

 

途中にはこのチャートが砕けて一面、登山道が桃色に見える箇所も至るところに散見できました。晩秋の木立の美しさばかりでなく、足元のこうした岩の成り立ちなどに思いを巡らすのも山歩きの楽しみです。


下記の写真はクリックすると大きくご覧いただけますが、貴重な写真を数葉、追加しました。日本山岳会の大先輩Yさんから送っていただいた1966年4月10日の武川岳の写真です。

当時は奥多摩、中央沿線、そしてこの奥武蔵の山々も、今よりはもっと眺めが広々としていたとYさんも仰っていますが、それは戦時中に薪や炭焼のために木を伐った後、そのままの所が多かったせいだと思いますとのこと。また武甲山も今ほど痛々しい様子ではなく、向こう側の尾根もまだ健在で堂々とした様子です。

モノクロの趣きある写真と、現在の様子とをどうぞ見比べてください。