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吾妻小舎を訪ねる1

福島県の吾妻連峰、一切経山のある浄土平近くに吾妻小舎という歴史のある山小屋があります。山小屋と言っても、磐梯吾妻スカイラインが通っていて、無雪期には車でも手軽に行ける立地なのですが、かつては雪山や山スキーの基地として活躍していました。

 

往年の吾妻小舎を知らない私は、先代が亡くなられて以降、その管理を引き継いだ高橋さんになってから縁あって毎年のように“通う”場所となりました。

 

それは何より、写真のように趣のある昔ながらの木造の小屋の雰囲気に魅了されたのと、高橋さんの人懐こい、そして「これでもか!」という程のもてなしのせいで、ついつい友達を誘っては足を運ぶようになったのです。が、その小屋も今季で閉めることにすると、夏に連絡をもらいました。個展前のひどく慌ただしい日程をやり繰りし、うまい事天気に恵まれた日に行ってきました。

磐梯吾妻スカイラインの一番の見処とも言うべき、浄土平周辺。そこに位置する小屋は車で直行でき至極便利であったのですが、近くに一切経山(写真)を抱えていることで、火山警戒レベルに左右され、時には一番の観光シーズンでも道路の封鎖や時間制約などで小屋の運営も思うように行かなくなるという難点がありました。そこにこのコロナ禍です。

 

古くて味わい深い小舎と言うことは、それだけメンテナンスにも手間とお金がかかる訳です。行きたい時だけ行って楽しむ宿泊者の都合で寂しいとは言っても、現実は難しいのです。

訪問時の小舎の写真を始め、数回に分け好天に恵まれたなかでのハイキングの様子を少しずつご紹介したいと思います。

吾妻小舎に到着後、お茶を御馳走になり一息ついてから、近場の桶沼に出かけました。これは浄土平に通じる山道です。

天気も快晴だし、ではちょっと吾妻小富士にも登ってみようと言うことになり、観光客に混ざってひと登り。私はスケッチすることにし、同行の二人はお鉢巡りに出かけました。夕飯のご馳走に備え、少しお腹を空かせておかなくてはなりません。