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北アの眺めとフルートの音色@北信・小川村

 5月も終わりの日曜、北信の小川村をまた訪ねました。前回・前々回の宿=貸別荘のような山小屋を貸して下さった村在住のMさんが、フルートのアンサンブルを「ふるさとらんど小川」のホールで開催すると言うので出かけたのでした。早朝、曇天のなか中央道を走らせていると、八ヶ岳などはすっぽり雲のなかでしたが、安曇野手前の梓川SAでは常念岳が雲間に頭を出していました。

 これならスケッチもできる! と眠かった頭も急にアドレナリン発生で描くモードにスイッチ・オン! 浮き浮きと小川村に向かい、まずは前回素晴らしい枝垂れ桜を堪能した「立屋」という地域へ登り坂を車で駆け上っていきました。想像の通り、写真のように北アの雲が切れはじめて姿を表しています。コンサート前の数時間、目星をつけたスケッチポイントにて、猛烈な勢いで大きなサイズのスケッチに集中しました。

 

 さて、コンサートはそう広くない会場でしたが、追加の椅子を運び込むほど盛況で、大勢の方たちと優しい音色を愉しみました。6、7人の奏者が曲目で編成を変えながら、映画音楽を中心に馴染みのメロディーを美しく奏でます。

 フルートは最も人の声に近い楽器だそうで、きれいな音色は不思議とホッとする心地になります。

 

 コンサート後は今宵の宿「ビオトープ」というペンションへ。ここは展望が売りで、居ながらにしてスケッチができます。芸術関係の人の利用も多いらしく、宿には色々な作品があり、私には妙に落ち着く空間でした。食事も自然のものを使った食材中心で細胞が悦ぶような感じでした。

 

 到着後にさっそく、大きなスケッチブックにもう一枚。その後雲がかかり夜半の小雨が翌日は朝からしっかりとした雨となりましたが、朝食前にはテラスから霧がたなびく村内の様子もスケッチ出来ました。制作とフルート・アンサンブルの充実した二日間でしたが、満ち足りた思いでもっと長い時間を過ごしたように感じられるのでした。