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アイヌの展示とブルートレインの写真展

東京に行く時には、メインの用事に加え幾つかの事(展覧会を見るなど)を兼ねて出かけるようにしています。都内の地下鉄網はそれこそ網の目のように走っているので、どこに行くにも便利だからです。

 

夜に日本山岳会の図書委員会があるために、午後には「アイヌの建築と工芸の世界」という、湯島の国立近現代建築資料館で開かれている展示を見に行きました。先日朝のNHK第一ラジオで耳にしたもので、湯島地方合同庁舎の裏手にある、初めてでは分かりにくい場所でした。が、意外にも多くの人が来館しておりかなりの“盛況”ぶり、さすが東京だな〜と思いました。

 

今のような時代、もしかしたら自然に則して畏怖の念を持って暮らし生きてきたアイヌの人たちの暮らしぶりや精神が、荒れ果てた現代人の救いに感じられる、そんな事もあるのでしょうか。

もう一つは鉄道の写真展「ブルートレイン 夢の旅路へ」です。

この展示は前期・後期になっていて、今回見たのは後期でした。そう広くない会場には懐かしさ一杯のブルトレの力走や当時の食堂車、車掌交代、ベテラン “カレチ”(長距離列車に乗務する客扱専務車掌)の写真などがあり、目頭が熱くなるような心地にもなりました。

 

先日、新聞投稿欄で「ブルートレイン復活させて!」という意見を目にしましたが、同感です。

旅の過程そのものを楽しめ、日本の自然風景を楽しみながら移動できる鉄道の魅力をもっと有効に活用すべきで、私が思うに北海道などはその最たるもの。車窓を楽しみながら安全に移動でき、駅弁を食べ時にはビール片手、それは海外からの旅行者にとっても大きな楽しみになる筈です。

 

最近の寝台列車と言えば、庶民の手が出ないような豪華列車が主流ですが、鉄道の公共性を考えると、もっと一般の人が利用しやすいものを提供するのが本筋だと思います。

 

早く移動するだけが目的の新幹線では味わえない魅力ある鉄道路線・列車運行の確保はまた、東日本大震災のときの貨物輸送で石油運搬を果たしたように、いざという時の大事なインフラとしても生きてきます。国の基幹産業である自動車に力を入れるばかりでなく、鉄道に対しても対等な施策を望んでいます。