北の大地へ その4

納沙布岬の後、オホーツク海側を通って一端根室市内を抜けてから向かったのは「春国岱(しゅんくにたい)ネイチャーセンター」です。

この写真は春国岱の砂州=野付に敷かれた木道を歩いている時のものです。こんな真冬の時期にここを歩く人は稀でしょうが、数日前?の人間の足跡が残されている木道を行くと、雪原にはシカ、キツネと言った野生動物の足跡が残るのみです。スケッチをしながら向こうのアカマツの林まで取り敢えず行けるところまで歩くことにしました。

木道の果まで行くと、立ち枯れた木が立ち尽くす光景に出会いました。これはオホーツク海からの海水による影響で年々進行しているとのこと。奥に続く海岸線にあるアカマツの純林としては貴重な春国岱の森も、2008年に北海道を襲った爆弾低気圧のせいで壊滅的とも言える被害を被ったそうです。

 

嘗て、この野付は鬱蒼としたアカマツの樹林に覆われ林床は苔むしていたそうです。現在では見る影もない状態になってしまっていて、私が訪ねた木道の果から先は今では無雪期も立入禁止。また花の季節には野付一面がピンクに染まるほどハマナスの花が咲き乱れたそうですが、こちらはシカの食圧にて今ではホンの一部に残るのみだそうです。

 

大自然そのもののような北海道にあっても、嘗ての姿がそのまま維持されることなどはなく、さまざまな要因で変化しているとわかります。目の前に拡がる「豊かな自然」と見えるものも、実は激しい自然現象や地球的な変動で刻一刻と変化し、それによるバランスの崩れ(崩れではなく本来の推移とも言えますが)、加え人為的な圧力によって大きく変わっていると理解します。馬が居る雪原は実は人が開拓した牧草地であり、平坦な土地には道路が走り風力発電の風車が何基も建つ……それはビルや車がひしめく都会とは別の姿ではありますが、人の手が加わった場であると気づきます。